長崎市長 平和宣言から 「日本政府に訴えます!」

 日本政府に訴えます。

 核のない世界を目指してリーダーシップを取り、核兵器を持つ国々と持たない国々の橋渡し役を務めると明言しているのにもかかわらず、核兵器禁止条約の交渉会議さえ参加しない姿勢を、被爆地は到底理解できません。唯一の戦争被爆国として、、核兵器禁止条約への一日も早い参加を目指し、核の傘に依存する政策の見直しを進めてください。日本の参加を国際社会は待っています。

 また、二度と戦争をしてはならないと固く決意した日本国憲法の平和の理念と非核三原則の厳守を世界に発信し、核兵器のない世界に向けて前進する具体的方策の一つとして、今こそ「北東アジア非核兵器地帯」構想の検討を求めます。

 人はあまりにもつらく苦しい体験をしたとき、その記憶を封印し、語ろうとしません。語るためには、思い出さなければならなからです。それでも被爆者が、心と体の痛みに耐えながら体験を語ってくれるのは、人類の一員として、私たちの未来を守るために、懸命に伝えようと決意しているからです。

 世界中のすべての人に呼び掛けます。最も怖いのは無関心なこと、そして忘れていくことです。戦争体験者や被爆者からの平和のバトンを途切れさせることなく未来へつないでいきましょう。              (2017年8月9日 長崎市長 田上富久宣言から一部抜粋)