さらに野党と市民との共闘を進めます。      「市民連合の声明」です。

 総選挙の協力ありがとうございました。みなさんの理解をさらにいただけますよう努力してまいります。

 10月23日 日本共産党と政策協定を結びこの選挙を闘った「市民連合の声明」をお知らせします。

 

10.23【第48回衆議院議員選挙に関する見解】

10月22日に投票が行われた第48回衆議院議員選挙において、自民党・公明党の与党
が3分の2の議席を確保する結果となりました。市民連合は、安倍政権がこの多数基盤
の上に、憲法の基本精神を破壊する方向でその改定を具体化することを強く危惧しま
す。
選挙戦の中で行われたいくつかの世論調査では、内閣支持率が低下し、不支持率を
下回るものもありました。その意味で、国民は安倍政権を決して信頼したり、評価し
たりしているわけではないことは明白です。投票率も戦後最低レベルに留まってしま
いました。与党の巨大な議席は、勝者にボーナスを与える小選挙区制度がもたらし
た、民意からの乖離といわなければなりません。
野党側では、民進党が分裂したことが与党の大勝を招いたことも事実です。総選挙
における立憲勢力の前進のために市民と野党の協力体制の準備を進めていたことを無
視し、前原誠司代表が希望の党への合流を強引に推し進め、民進党を分裂させ、野党
協力の態勢を壊したことは、強く批判されるべきだと考えます。
しかし、立憲民主党が選挙直前に発足し、野党協力の態勢を再構築し、安倍政治を
憂える市民にとっての選択肢となったことで野党第一党となり、立憲主義を守る一応
の拠点ができたことは一定の成果と言えるでしょう。この結果については、自党の利
益を超えて大局的視野から野党協力を進めた日本共産党の努力を高く評価したいと考
えます。社会民主党も野党協力の要としての役割を果たしました。
そして何よりも、立憲野党の前進を実現するために奮闘してきた全国の市民の皆さ
んのエネルギーなくして、このような結果はあり得ませんでした。昨夏の参議院選挙
につづいて、困難な状況のなかで立憲民主主義を守るための野党共闘の構築に粘り強
く取り組んだ市民の皆さんに心からエールを送ります。
与党大勝という結果は残念ではありますが、安倍政治に対抗すべき市民と野党の共
闘のあるべき姿がこの選挙戦を通じて明確になったことには意味があると思われま
す。違憲の安保法制を前提とした憲法9条改悪への反対と立憲主義の回復などを共通
の土台とした今回の市民と野党の共闘の成果を踏まえ、立憲野党が、無所属、その他
の心ある政治家とともに、強力な対抗勢力を再構築することを心より期待し、市民連
合もできるかぎりの応援をしたいと考えます。
衆議院で与党が3分の2を確保したことにより、安倍政権・自民党は近い将来、憲法
改正の発議を企てることが予想されます。もちろん、現在の国民投票法は、運動に関
する規制があいまいで、資金の豊富な陣営がテレビコマーシャルなどを通して民意を
動かすことができるなど大きな欠陥があり、市民連合は現行制度のままでの改憲発議
に反対します。しかし、万一、与党が数を頼んで改憲発議を行った場合、市民連合は
国民投票において、安倍政権の進める憲法改正に反対するための大きな運動をつくる
ために、立憲野党とともにさらに努力を進めていきたいと考えます。
2017年10月23日
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合