過労死促進法の強行可決に抗議する!

           「働き方法案」強行可決  

         命を奪う法案 数の力による暴挙

 629日、数の力にものいわせた暴挙という他ありません。自民・公明などが「働き方改革」一括法案を参議院厚生労働委員会・本会議で強行しました。過労死を促進する法案の危険極まる中身が明らかになり,政府のいう法案の必要性の根拠も総崩れする中追い詰められた安倍晋三政権が力ずくの手段にでたものです。働く者の健康を脅かし命まで奪う法案を数を頼りに押し通すことに大義はありません。「働かせ方大改悪案は廃案を」の声は圧倒的国民の声です。

           過労死家族の声を無視するのは許せない

 全国過労死を考える家族の会をはじめ多くの人が「採決を許さない」と傍聴席に詰めかける中、野党などの抗議を無視して審議を打ち切り、採決に踏み切る-。乱暴なやり方は、労働者や国民の不安や疑問を顧みようとしない安倍政権と与党の姿勢を象徴しています。

 法案には働く者の命と健康を危険にさらす重大な中身が数多くあります。その最たるものは、「残業代0制度」(高度プロフェショナル制度)を初めて導入しようとしていることです。同制度は、労働時間規制を全面的に適用除外にし、「24時間働かせ放題にする事を可能にする仕組みです。

 週休2日にあたる年間104日の休みを与えれば24時間労働を48日間連続させても、それを規制できません。安倍首相は、「働き方を自ら選択できる」と繰り返しましたが、労働者が自らの裁量で決められる規定はありません。いまでも過労死が後を絶たないのに、こんな制度が導入されれば命を削って働かされ続ける事態が続発することは火をみるより明らかです。

  100時間未満の過労死水準まで容認する上限時間規制は認めない

 8本の法案を一括にして国会に強引に出し、押し通そうとするやり方自体が間違っています。過労死水準の100時間未満まで認めようとする「上限規制」は規制ではありえません。世界的な国際労働機関(ILO)107回総会(528日~68日)で労働時間法制の調査報告が行われました。EU(欧州連合)の労働時間指令では、残業が週8時間、月32時間で長時間労働になります。勤務時間インターバル(労働から次の労働まで休む時間)実施は、11時間の国が25カ国、12時間が21カ国です。

 国際水準は日本の大臣告示の残業週15時間、月45時間よりも厳しいものです。法案の上限規制は、100時間を容認しており、国際的な水準に照らしてもあまりにも低いものです。

連合ですら反対しているのに、「労使で合意した」等と主張し押し通すことは、労働行政の放棄です。

 8時間労働制等、国際的な労働時間規制条約を一本も批准していない日本政府

ILOが最初に採択したのは、一日8時間労働を定めた条約(1919年)でした。日本政府は、「日本の事情は特殊だ」と主張し猶予を求め、以来100年労働時間規制の条約を1本も批准していません。政府は、変形労働時間があるから批准できないとしていますが、変形労働時間制を見直せば良いだけの話です。100年前の国際基準さえ批准するつもりがない政府です。

 

 今回の「働かせ方大改悪法」は19世紀の奴隷的、女工哀史的働かせ方を容認する歴史に逆行する法律です。