不要不急の最たるものは、自衛隊

 中日新聞5月9日文化欄から  総合研究大学院大名誉教授 池内 了さんの「時のおもり」記事から紹介します。

   

 私は、不要不急の最たるものは自衛隊であると思っている。莫大な軍事費を使って使いもしない近代兵器を爆買いし、災害時の救援業務以外には有為な社会活動に参与しない働き盛りの若者を20万人も抱えているからだ。現代においては、もはや戦争を抑止しているのは軍事力ではなく、国際的な平和望む世論の力であり、人と人が殺し合う戦争の時代は終わっている。世界の情勢は、軍事的な安全保障ではなく、人々の命を守る仕組みを様々に工夫する「人間の安全保障」が本命になりつつある。

 本当に不要不急なものは何か、コロナ禍から考え直すべきことが多くありそうだ。