9月町議会 「保険証廃止の中止」の請願否決

  南知多町9月議会「保険証廃止の中止を求める請願」 否決

            反対討論なく 内田議員の賛成討論のみ

 922日 南知多町9月議会の最終日、町民から提出されていた「保険証廃止の中止を求める・・・」請願が、反対討論もなく、紹介議員である内田議員の賛成討論のみで否決されました。全国でマイナンバーカードによる保険証利用では、トラブルが続き問題になっています。来年秋の導入へは、一旦中止、撤回の動きを強める必要があります。内田議員の請願への賛成討論を紹介します。

 

請願第4号 「健康保険証廃止の中止を求め、マイナンバーカード取得の強制に反対する意見」の提出を求める請願に賛成の立場から討論します。

 

政府は、2023年の通常国会で、現行の個人保険証を廃止しマイナンバーカードと一本化することを含んだ「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用などに関する法律などの一部を改正する法律(マイナンバー法等一部「改正」法)」を成立させ、2024年秋の保険証廃止に向けて準備を進めています。

将来デジタル化に進むことは賛成しています。しかし、説明不足・準備不足の今の段階で拙速に進めることには反対です。しかし問題が噴出している命に関わるカード強制の不手際をこのまま許してはなりません。

上手く保険証として使えている方もいることは承知していますが、全国的には、問題点の方が多すぎます。一旦ストップし紙の保険証は残し、カードへの強制はやめるべきです。 

 

   10のずさんな導入実態(保険医団体連合会調査より)

 

健康保険証とマイナンバーカードの一体化については、法案審議の過程やその後の各種調査であまりにもずさんな導入の実態・様々な問題が明らかになってきています。

1 コンビニで別人情報が紐付され、抹消済みの証明書が発行された。

2 マイナ保険証に別人の情報が登録されている。

3 医療費の負担割合が違う。1割負担が10割負担になったり、1割負担が3割負担になったり、のトラブルが後を絶たない。

4 家族名義とみられる口座が登録されている。

5 マイナポータルで別人の年金記録が閲覧できる。

6 他人のクレジットカードに紐付けられた。

7 同性同名の別人のカードを交付し、ポイント間違って付与した。

8 別人の障がい者手帳情報が登録された。

10 オンラインの資格確認ができず10割負担になり受診が困難になった。

マイナンバーカードをめぐってトラブルが相次ぎ、国民の不信が高まっています。

全国保険医団体連合会(保団連)の6月21日の約1万件の調査によれば、マイナカードと保険証が一体化した「マイナ保険証」について何らかのトラブルがあったとの回答では、「無効・該当なし」と表示され、被保険者の資格情報が正しく反映されない3640件で66.3%で最多となっています。

10割負担を請求された例でも、38都道府県で最小でも776件発生し、他人の情報がひもづけられていたが114件などとなっています。こんな状況で、一方的に保険証を廃止すればますます混乱するばかりです。保険証廃止は凍結すべきです。すでに7月の産経・FNN合同世論調査によれば、保険証廃止にたいしては、「延長」「撤回」が76.9%になっています。法律上はマイナンバーカードの取得はあくまでも任意であり、国民への強制はおこなわれるべきではありません。

    

     マイナンバー関連利権にむらがる大企業たち

 

また、大企業がこのマイナンバーとマイナカードの運用で利権に群がっています。

地方公共団体情報システム、いわゆるJrisが2013年からの10年間で少なくとも313件2810億円を発注し少数の大企業が独占的に受注しています。

なかでもNTTコミュニケーションは982億円で受注額全体の3割を占めています。その他凸版印刷464億円、DNデータテクノ377億円、NTTデーター257億円、日本電気175億円です。政府は新しいマイナカードを2026年度中に導入する計画ですが、すでに21年度からテスト用ICカードデーター作成作業をNTTグループと富士通に随意契約で発注しています。

 

マイナンバートラブルの全容解明は未解決

 

マイナカード誤表示の原因は(1)自治体の入力ミス(2)システムの仕様の問題(3)レセプト(診療報酬明細書)コンピューターの仕様の問題―など複数推定されていますが全容は未解明のままです。

命に関わる事故につながりかねない重大なトラブルも続々と報告されている。この様な問題を解決しないままで、2024年秋に現行の健康保険証を廃止することは国民の健康と命を脅かすものです。

 病気やケガの時にいつでもどこでも安心して医療が受けられるために健康保険証は不可欠です。健康保険証の券面には被保険者情報が記載されているため、患者さんが窓口で提示するだけで医療が受けられます。被保険者情報を活用し、医療機関もスムーズに保険請求できます。被保険者証を発行・交付する義務がなくなると国民皆保険制度に大きな瑕疵が生じます。岸田総理は廃止の延期ではなく、健康保険証を残す政治決断すべきです。

 

国民健康保険制度の根幹にかかわる保険証廃止には議員諸氏の賢明な判断をお願いするものです。是非この請願に賛成をお願いして討論を終わります。